
私が最初に勤めたのは個人の税理士事務所でした。先輩や上司は優秀で、何でも教えてくれる方々だったのですが、資格取得には強いこだわりがなく、私だけが受験勉強をしているという少し寂しい状況でした。どうにか仕事と勉強を両立し、4科目合格まで達成しました。
その後、業務の幅を広げるべく転職した税理士法人では、多くの経験を積むことができました。しかし多忙で、受験勉強まで手が回らないという状況に陥ってしまいました。
当法人に入社して感じたのは、資格取得を真剣に目指しているスタッフが多いということです。各人が仕事と受験勉強を両立させており、その様子は今までの職場とは全く違います。もちろん両立するには自分自身の強い意志が必要ですが、上司が勉強時間を念頭に置いたアサインをしてくださいましたので勉強時間を確保でき、メリハリをつけて働けるようになりました。
経営層の「税理士試験に合格させよう」という熱意が、当法人は強いと感じます。当法人に根付く「企業文化の一つ」と解釈しています。
しばらく遠ざかっていた受験勉強を再スタートするにあたり、まず心がけたのは「毎日勉強する習慣を確立する」ことでした。単純なことかもしれませんが継続は力なり。繁忙期でも通勤や仕事の移動時間など、とにかく空いている時間を見つけては「毎日必ず理論に目を通す」ことを実践しました。
そして入社してから1年半かかりましたが、ついに消費税法に合格することができました。40代になり資格取得を諦めようと弱気になることもありました。しかし、職場の皆さんは事あるごとに受験勉強の進捗を気にかけ、その都度、適切なアドバイスももらえました。とにかく皆さんに支えられての官報合格です。これからは、税理士を目指すスタッフが安心して受験勉強ができるよう、合格までサポートしていく番だと考えています。
現在は相続・事業承継グループに所属しています。最初は色々と分からないこともありましたが、皆さん親切に教えてくれるので業務に慣れてきました。
法人業務を担当していた時に考えていたのは、「税金計算は最後の結果であり、ただ税法を知っている、正しい税金計算ができるだけでは、お客様に信頼していただけない」ということです。これは相続業務でも共通しています。
お客様は、相続が発生してから申告の依頼にいらっしゃる方が多い印象です。まずお客様に信頼していただき、思っていることを仰っていただき、そのお考えに寄り添いながら申告業務を行うよう心がけています。
「あなたに相続税の申告を頼んで本当によかった」と言っていただけるような、お客様から信頼される税理士になりたいと思います。そのためには知識だけでなく、人間としての懐の深さのようなものも磨いていかなければなりません。そのようなことを考えながら、日々の業務に向き合っています。