相続税の申告と納税は期限があるので、短期間で正確な情報を集めることが重要となります。これには親族の人間関係など非常にデリケートなところも含まれます。先日、ご兄弟の間で調整がつかないケースがありました。弁護士さんのアドバイスで、私どもが仲介役として話し合いを重ねていったところ、だんだんと問題の核心が見えてきました。決着はまだついてはいないのですが、それでも相続税の申告と納税は期日内にでき、お客様から「この事務所に相談して良かった、心強かったです」とのお言葉をいただきました。いかに「この人なら話しても大丈夫だ」と思っていただける信頼を得るか。常にお客様の目線で、誠意を持ってお客様に接し続けるしかありません。

　データの蓄積から答えを探すのがAIだとすれば、相続の業務は案件ごとに内容が異なるので、データ蓄積はできないように思います。相続税の申告までの道のりは、相続人それぞれ。しかも、その要望が表に出ないこともよくあります。私たちはお客様それぞれが何を思っていらっしゃるのかを推し量り、話の持って行き方に気を配ります。それが大きな違いとなって現れます。この仕事は人間だからこそできる。私はそう思っています。